2019/04/18 20:17

環境問題や 有害物質を 限りなく取り除こうという法律

ヨーロッパを皮切りに 日本は遅れて ここ最近 意識し始めるようになってきた

毎年のように 制限が加わり 業界自体クリーンになって喜ばしいこと

ショップも 中に含まれている成分を すべて明かしなさい!と求めてくる

たとえば 「エコレザー」の基準 これを守ろうとすることは 大いに結構

ただ、、、、、

売れ残り食品 売れ残った洋服 売れ残った革 さまざまな ロスを 廃棄という形で処分している現実があることも忘れてはならない

きれいな傷のない革を求め 売り続け 牛などの飼育環境が悪化し タンナーが売れない在庫をかかえ 苦しんでいることにも目を触れず、、、、

今が良ければ良いのか 嫌なことからは目をつぶってしまうのか そんな体質をじっくり考え直すことの方が大切なのではないかと 最近つくづく考えさせられる

法律がつくられ 高いお金を払って有害物質が混入していないことを証明して見せ 基準値をクリアしていることを売り文句に販売する

検査機関が儲かり 革代にオンされて 消費者が安心にお金を払う

時代の流れで とても立派なことだと思う 

有害な薬品 有害な環境汚染 これを防ぐことは 私たちタンナーの当然の義務である

でもね

すべてに費用がかかり 消費者がしわ寄せを被る話なのである

単価が 上がるか 中身が薄くなるか 消費者に負担をさせることになるのだ

まず もっと 目を向けてほしいことは

皮本来のこと

牛さんの皮を 傷があっても 使ってあげようよ と最もシンプルなこと

食肉として人間にその身を捧げている牛さんの美味しい肉を食べているくせに 残った皮は 傷があって歩留り悪いから キレイじゃないから いらん!なんて言うの?

最近では 傷のある革で 私はいいですよ!と 言ってくださる方もいて 私は 個人的に あなたこそ 心の優しいエコな人 と敬意を払っている

動物には さまざまな傷が存在している

タンナーは 原料を仕入れる際 基本的に返品制度がないので どんな皮も引き取らなければならない

選ばれないと在庫が積みあがってしまう 

タンナーが苦しくなる

タンナーがいなければ 牛さんの皮は 腐って 粗大ごみになる

どうです? 真のエコって 実は ありのままを そのまま使ってあげることではないのかなぁと 思うのですが

二つとない傷をデザインに取り入れたり 気にならない部分にあえて活用してみたり

クロムが悪くて タンニンだけが 良い? 全部がタンニンに向いてしまったら 植林伐採に繋がらない?

雑誌や 時代の雰囲気も 大事だけど いろいろと考えてみませんか?

                      平成31年4月18日 株式会社ジュテル・レザー 沼田真美子