2019/02/19 08:00
昨日は 鞣しの中で 一番ポピュラーである「クロム鞣し」のお話でしたが 本日は 比較対象となりやすい「タンニン鞣し」を題材にしたいと思います
タンニンと言えば お茶やワイン・柿などに含まれている渋味でお馴染みかと思いますが 植物の中に普遍的に含まれている環境にやさしい物質です
植物タンニン剤としては 「ミモサ」をはじめとし「ケブラチョ」「チェストナット」などと言われるパウダーが使われます
クロムがブルーである一方 タンニンは植物性渋の色 ヌメ色と言われるベージュ系の色となります タンニン剤の種類によって 色味が多少異なります
鞣しをする装置は 二種類あります ピット槽とドラムダイコです
ピット槽の良さは 1枚1枚を濃度の違う槽に順繰りに漬け込み 1か月以上をかけてじっくりゆっくり鞣しを行うので 厚い革や繊維を崩さないように作ることが可能です
一方ドラムダイコは 1日あれば鞣し作業は終わります ドラムの回転を利用し皮に強制的にタンニンを入れていきます
ピット槽は 労力と渋槽自体の管理の大変さ ドラムダイコは強制であるが故のコントロールの難しさかなと思っています
ドラムダイコではあまり厚い皮を鞣すには適しません タイコが壊れてしまうからです また 回転させますので繊維がほぐれやすくなります
元来の作り方を良しとし硬くてぶ厚い革を求める方はピット槽がおススメ
弊社が選択するドラムダイコはヌメ革のあらゆる可能性を引き出せる鞣し方かな、と思っています
タンニン鞣しの特徴は 靴の底革に向くような硬い素材であることが挙げられます 可塑性に富み 型押しなど形を決めるには最適です また吸水性にも優れているのでクラフトの材料として 手で染めたり油を塗ったりするような革工芸に向いています
伸縮性や弾力 引き裂き強度 耐熱 耐光性についてはクロムには劣ります
さらに特徴の目玉として ヌメは飴色になる⇒経年変化を楽しめる素材 と言われています 光にあたり紫外線を受けながら酸化していくスピードが早いため その変わりゆく様を良いことと捉えて 表現しています
一方 クロム製革は 何も変化しないように伝えられていますが 私たちが作る革は 革が生きているので中からツヤが上がっていき 経年変化は起きるものと説明しています
平成31年2月19日 株式会社ジュテル・レザー沼田真美子